日本三大船祭り の一つ! 一度は見てほしい「塩竈みなと祭」

伝統

日本三大船祭りとは?

古くから海と人々の暮らしが密接に結びついてきた日本において、船祭りは単なる祭典ではなく、海の神への感謝と祈願、豊漁や安全航海を願う重要な行事として発展してきました。

そんな船祭りの中でも、特に有名なのが「日本三大船祭り」です。一般的には、以下の3つの祭りが三大船祭りと称されています。

  • 神奈川県・足柄下郡真鶴町で行われる貴船(きぶね)まつり
  • 広島県・厳島神社の管弦祭
  • 宮城県・塩竈市で行われる「塩竈みなと祭」

しかし、三大船祭りの選定基準や歴史については諸説あり、地域によって様々な意見が存在します。

「三大」がどれであるかも所説あり、愛知県津島市の「尾張津島天王祭」、大阪天満宮「天神祭」、和歌山県古座神社の「河内祭の御舟行事」などが挙げられることがあるようです!

貴船まつり

神奈川県真鶴町で開催される貴船(きぶね)まつりは、約300年以上の歴史を持つ伝統的な船祭りです。貴船神社の神輿を乗せた船が海を巡行し、海上での神事を行います。祭りの最大の見どころは、力強い太鼓の音と華やかな神輿が織りなす迫力満点のパレードです。

出典:https://www.town.manazuru.kanagawa.jp/soshiki/sangyoukankou/kanko/2258.html

これまで毎年7月27日、28日に行われていた貴船まつりですが、令和5年度からは、7月最終土曜日及びその前日に変更となったようです。

令和6年の開催日は7月26日(金曜日)、7月27日(土曜日)です!

【貴船まつり】詳細についてはこちら 神奈川県真鶴町WEBサイト

管弦祭

広島県厳島神社で開催される管弦祭(かんげんさい)は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている厳島神社の例大祭の一部です。海上で行われる神楽や雅楽、華麗な龍頭船の競漕など、他の船祭りとは一線を画す独特な雰囲気を持っています。

出典:https://www.miyajima.or.jp/event/event_kangen_01.html

毎年、旧暦の6月17日に行われることとなっているようで、令和6年は7月22日(月)の開催。令和7年は7月11日(金)に予定されているようです。

管弦祭】詳細についてはこちら 一般社団法人宮島観光協会WEBサイト

塩竈みなと祭

宮城県塩竈市で開催される塩竈みなと祭は、志波彦神社・鹽竈神社の御神輿を奉安した御座船が、多数の船を引き連れて千賀ノ浦と松島湾を巡幸するお祭です。その始まりは戦後の1948年。塩竃市の復興と活性化の願いが込められているそうです。
2006年には水産庁から「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に認定されました。さらに2014年には「ふるさとイベント大賞」の最高賞である『内閣総理大臣賞』を受賞しました!

出典:https://www.tohokumatsuri.jp/cate_miyagi/post-341/

当初、祭は7月20日の「海の記念日」の一連の行事として、鹽竈神社例祭が行われる7月10日でした。昭和38年からは、盛夏になる8月5日に開催されるようになりました。その後、平成17年度からは、「海の日」(7月第3月曜日)に変更し、前夜祭の花火大会をその前日に行うようになりました。

この記事では、私の生まれ育った町である、塩竃市の「みなと祭」について紹介したいと思います!子供のときは、前夜祭の花火と出店しか興味がなかったのですが、大人になって「みなと祭」を見たときには、御神輿が神社の202段を降りてくる様子や、船で巡行する姿に迫力に圧倒されました!

ぜひ地元の人以外の多くの方に知ってもらいたいので、「みなと祭」の魅力を知ってもらいたいと思います!

塩竈みなと祭の起源と沿革

塩竈みなと祭のはじまり

塩竈みなと祭は、戦後復興と市民の元気回復を願い1948年に始まったお祭りです。「日本三大船祭」の一つにとされ、海の祭典としては全国有数の規模を誇っています!
このお祭では、二つの御神輿が巡幸します。志波彦神社と、鹽竈神社の御神輿です。
鹽竈神社に祭られているのは、古来、武甕槌神(たけみかづちのかみ)の道案内役を果たされ、この地に残られた鹽土老翁神(しおつちおぢのかみ)です。

出典:塩椎神(Art Mochida Daisuke

また、鹽土老翁神は、塩竃市(しおがま)の地名の由来にもなっているように塩づくりを伝えた神でもあります。そのため、この祭の一番の見どころである御神輿が海をわたる神輿海上渡御は、鹽土老翁神を年に一度海へお連れするという、神社を崇敬する氏子たちの感謝を示す場でもあります。

時代とともに変化してきた祭りの形態

お祭が始まった当初は巡行していたのは鹽竈神社の御神輿だけでしたが、1964年には地元の水産界の有志が寄進した志波彦神社の神輿と御座船「龍鳳丸」が海上渡御に加わり、「みなと祭」はさらに盛大になっていきました。
さらにその後、海上渡御中の御座船を待つ間に、陸上も盛り上げようと陸上パレードも行われるようになりました。また、全日には花火大会も行うようになり、今では東北の夏祭りの先陣を切るお祭りとなっています!

塩竈みなと祭の見どころ

御神輿の202段降り

塩竈みなと祭の最大の見どころの一つは、志波彦神社と鹽竈神社の御神輿が、202段の階段を駆け下りる「御神輿の202段降り」です。掛け声とともに、神社の表坂・202段の階段を神輿が降りる様子は圧巻です!

出典:https://kankoubussan.shiogama.miyagi.jp/tourism/minato-matsuri.php

みなと祭当日、塩竈神社内でまず御神輿の出発前の神事「発輿祭」が行われます。その後、志波彦神社、鹽竈神社の2つの御神輿が、表坂の202段の階段を順に降りてきます。

10時半、まず始めに志波彦神社の御神輿が降りてきます。屋根、台、担ぎ棒は黒塗り、堂の部分は朱塗りになっています。軒は金箔が施されており、一番上には大きな鳳凰が飾られています。その姿から、「志波彦様の赤神輿」といわれて親しまれています。

続いて降りて来たのは、鹽竈神社の御神輿です。全面黒塗りで、屋根には鳳凰と鳩が飾られており、屋根面には菊紋が施されています。江戸時代中期(1716年~1735年)ころに製作されたと言われており、現存する八角形の神輿としては全国屈指の歴史を誇るそうです!

こちらは「鹽竈さまの黒神輿」と親しまれています。

この2つの御神輿、重さはなんと約1トン!鹽竈神社の表坂の202段の階段は、一度登った方なら分かると思うのですが、段数が多いことはもちろんですが、その角度も急。そして石段で造られた階段は、1段1段の幅や高さも異なるので、ただ登り降りするだけでも結構大変なのです! その石段を、1トンもある御神輿を担いで降りてくる様子は、迫力満点です。

当日の朝は、雨も降ったため、石段は通常よりも滑りやすくなっていたと思われます。そのため、202段を無事に降りきり鳥居の前に御神輿が下ろされると、観客からは拍手が沸きました。

港までの御神輿巡行

御神輿は202段を降りきったあと、二つの御神輿は市内を巡り、海上渡御のために御座船が待つ塩釜港へ向かいます。

超豪華!大漁旗を掲げた船とともに行く海上渡御

御神輿が港に到着すると、御神輿はそれぞれ2隻の御座船に乗りこみます。志波彦神社の御神輿は「龍鳳丸」、鹽竈神社の御神輿は「鳳凰丸」へ。

そしていよいよ発船し海上渡御へと向かいます。御座船だけではなく、その後ろには大漁旗を掲げた多数の漁船が続きます。千賀ノ浦の島々へ向かって、色とりどりの船が走る姿は実に豪華です!

塩竃市の更なる活性化への願いと、これまでの発展へ寄与してくれた塩釜の海への感謝、そして塩竃市の起源となったの鹽土老翁神への感謝の気持ちが込められ、船は海へと向かいます。

その後、御座船とその御供をする漁船たちは、千賀ノ浦の島々を回り松島湾へ向かったあと、再び塩釜港へ戻ってきます。

陸上を盛り上げる盆踊りパレード

海上渡御の間、陸上では「よしこの塩釜」と呼ばれる音楽に合わせ、市内の小中学生や塩釜にある企業の団体が盆踊りを披露します。

「よしこの塩釜」は、塩釜で生まれ育った人なら誰もが知っていると言っても過言ではない民謡です!「ハットセ!」という元気な掛け声が合間合間で入り、今、塩竃市のお昼のチャイムはこの「よしこの塩釜」が流れてきます。私も小学生のころ、この曲で町内会の夏祭りなどで踊った記憶があり、夏祭りといえば「よしこの塩釜」です。

この音楽を聞くと、とても懐かしいのと同時に、今年も短い夏が始まる~と感じられ、塩釜の夏の風物詩といえると思います!

ちなみに、昔「よしこの塩釜」は塩釜にいた「よし子」という人のことを歌っているのかな、なんてぼんやり思っていたのですが、ちゃんと調べてみると「よし子」さんとは全く関係ありませんでした!

「よしこの」とは、江戸時代に流行した「よしこの節」という日本独特のリズムのことだそうです。阿波踊りのような、即興で歌い踊る民謡の一つのことをいうのだそうです!

3. 塩竈みなと祭を満喫するためのガイド

塩竈みなと祭へのアクセス

アクセスは電車がおすすめ

 お祭りの際は、電車で来るのがおすすめです。駐車場があまりなく、またあっても御神輿が市内を巡行するため、鹽竈神社の表坂段周辺から塩釜港までは通行止めとなっているエリアが多くなるからです。

電車では2駅が利用できます。鹽竈神社の表坂202段前までの所要時間は、それぞれ以下のとおりです。

  • JR仙石線「本塩釜駅」下車 徒歩約10分
  • JR東北本線「塩釜駅」下車  徒歩約15分

車で来る場合

鹽竈神社の表坂下から塩竃駅付近までは、当日御神輿が通るために通行止めとなります。そのため、車で来る場合は、御座船が発船するマリンゲートに一度向かって車を止め、神社まで徒歩で向かうことになります。表坂202段下までは徒歩約15分です。

当日のスケジュール

おすすめの観覧スポット

御神輿の202段降り は 鹽竈神社 表坂下で!

202段の坂の下で御神輿が降りてくるのを見ることができます。また、202段の階段の脇に陣取り、見学している人もいました。

私達は10時20ころ到着したのですが、当日の朝、激しい雨だったせいか昨年より人は少な目な気がしました。そのため少し遅めの到着でしたが人だかりを縫って、階段近くまで見に行くことができました!

御発船 は マリンゲート塩釜 塩釜港周辺で!

御神輿が市内を巡行したあと、御座船の前で神事が行われ、御神輿が御座船に乗船します。その様子を見るためには、御神輿が202段を降りたあとにマリンゲート塩釜の船着き場へ移動しましょう!

カラフルな鳳凰丸と龍鳳丸、そして大漁旗を掲げた漁船が停泊しているので、それを目印に海岸沿いへ行けば大丈夫です!

出展:https://www.tohokukanko.jp/attractions/detail_1006259.html

御神輿海上渡御

御発船すると、鳳凰丸と龍鳳丸は湾内を1週してから千賀ノ浦の島々、そして松島湾へ向かいます。御発船を見学できる位置から、そのまま、多数の船を引き連れて海上渡御をする様子を見ることができます。

海上渡御の際のおすすめ見学ポイント!

海上渡御は、遊覧船にのり海上からでも見ることができます!チケットは、マリンゲート塩釜で購入することができ、大人1人・普通席は2,000円が事前予約で1,800円でした!船の1階、2階の自由席です。

私は今回、事前予約で乗船チケットを購入し、神輿の渡御を海上から見学することができました!
なお、当日席のランクアップをして、船の3階席に乗ることも可能です。
(値段は未確認です、すみません!)

ちなみに、船から見る際は、船の右側にポジションを取ると塩釜港を出発した御船を間近で見ることができます!

御座船が湾内を出たあとは、私が乗る遊覧船もそのあとに続き、行列の一部として千賀ノ浦の島々へ向かいます。御神輿を載せた2船は、途中から別々のルートに分かれ、志波彦神社の御神輿を乗せた龍鳳丸は松島海岸、そして千賀ノ浦の島々へ、鹽竈神社の御神輿を乗せた鳳凰丸は、花渕浜そして魚市場へ向かいその後市内を巡行します。

遊覧船は、花淵浜から松島海岸へ向かう龍鳳丸の御座船の一団に続いて走ったあと、松島湾の入口で分かれ、塩釜港へ戻ります。

船内では、千賀ノ浦の島々の説明などを聞きながら、晴らしい景色を見ることができました!

塩竈みなと祭を楽しむための注意点

御神輿に、お賽銭を投げたり、お清めのお塩をまくのは、御神輿に傷が付いてしまう可能性があるため、控えてほしいといわれています!

お賽銭をする場合は、202段を降り切ったあと、御神輿が一度鎮座します。その間に、優しく入れるか、塩釜港で御座船に乗ったあとなど、御神輿が動いていないときにあげるようにしましょう。

お清めのお塩も、御神輿に直接かけるのではなく、御神輿が通る前に道にまくようにして、御神輿を傷つけないようにして見るようにしましょう。

2025年塩竈みなと祭の情報

毎年、みなと祭は海の日に行われています。そのため、来年も7月の第三月曜日の海の日に開催される可能性が高いと思います!

開催予想日:2025年7月21日(月・祝) 海の日

ただ、これはあくまでも例年の日程に基づく私個人の予想です。最新情報は、市の公式ページや塩竃市のInstagramなどで確認していただければと思います!

海と伝統が織りなす華麗な絵巻!塩竈みなと祭の魅力 まとめ

みなと祭は、その歴史こそ他の船祭りと比べて比較的新しいものの、2つの御神輿が鹽竈神社の202段を降りてくる姿や、御座船に乗り、他の船を引き連れて海上渡御をする様子は迫力満点です!千賀ノ浦、松島湾の景色も風光明媚で、一見の価値があると思います。

さらに、塩釜港は全国有数の生マグロの水揚げ量を誇る港でもあります!新鮮なネタが食べられるお寿司屋さんもたくさんあり、お祭りだけではなくグルメもしっかり楽しめちゃいます!

次の夏はぜひ、みなと祭を見て、美味しいお寿司を食べに塩竃市に来ていただければ嬉しいです!

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